エロと風俗をクソ真面目に学問する。

　熟女という言葉はもはや当たり前になりました。年齢的には30歳よりも上であれば明確な定義はないようです。

　これも時代の流れによって一般に普及した新しい造語のひとつです。それもエロ業界から発生した単語です。その証拠に、女性が自分もしくは他の女性を指して「熟女」という単語を使うことが日常生活であるでしょうか。あるとしてもエロいニュアンスを含めてのことです。「人妻」と同じですね。

　流行もしくは言葉の影響力というのはすごいですね。30年ほど前までは、アダルトビデオの出演女優の9割以上が30歳前の若い女性でした。ところが今は30歳どころか40歳や50歳のＡＶ女優がいても誰も驚かない世の中になりました。「熟女」という単語の力だけではなく、潜在的な欲求が顕在化されたのだとも思います。年増好きの女性はもともと沢山いたはずですし、広く認知されたおかげで新たなファンも増えたことでしょう。

　風俗店でも熟女店はごくごく当たり前になりました。熟女ソープも増えてきましたし、熟女デリヘルも立派なジャンルのひとつです。受け皿が広がり、風俗嬢の寿命も大きく伸びました。

　40歳から50歳専門の箱ヘル店が、私にゆかりの深い風俗グループでも開店されました。十年前くらいに同じコンセプトのお店を開店することなど不可能でした。「そんなの繁盛するはずがない」という意見に、アイディアの段階で退けられていました。けっこう繁盛し始めているという噂を聞きます。

　若い女性は綺麗で体型もいいかもしれないです。が、エロさにおいては熟女のエグさには到底かないません。世間知らずで気遣いが足らず、テクニックもたいしたことがなく、羞恥心にまみれて大胆になれない若いだけの女性にはない、大人の女ならではの魅力に世の中が気づいてしまいました。もう戻れません。

　熟女という存在は過去の奥床しき日本人女性のイメージに対する挑戦でもあると思います。21世紀は女性の時代だと私は漠然と感じています。女性は性的にもこれから試されていくでしょう。「熟女」はそのさきがけだ、というのは大げさすぎるでしょうか。

　一体全体、私は何をクソ真面目に話しているんでしょうね。たかがエロなんですがね。