エロと風俗をクソ真面目に学問する。

　女性は案外「手ブラ」という単語を知りません。男性のようにエロ写真やアイドルＤＶＤを買う機会は少ないですし、ヌード画像を集めるわけでもないですから、知らなくても不思議ではないのかもしれません。

　風俗グループによっては、プロフィール写真の撮影をプロのカメラマンに依頼します。また別のグループはスタッフが撮影します。スタッフといっても撮影に関してはずぶの素人から始めることがほとんどです。カメラマンを雇う余裕がないというのではなく、スタッフが撮影することで総合的な仕事力を身につけさせるという方針だったようです。そういうグループに私もいました。撮影技術についても一から学ばせて頂きました。

　被写体は風俗嬢です。どんな写真を撮るかというと、目的はひとつだけです。指名される写真を撮ることです。電話が鳴る写真、予約が入る写真を撮影しなければなりません。これは究極の目標であって、前段階として踏まえるべき項目がいくつかあります。これも一言でいえば、男を惹きつける要素を盛り込むこと、これにつきます。

　下着姿になってもらうことなどは当たり前ですし、ブラジャーを外してもらって手で隠してもらうようにお願いすることもありました。そんなときに「手ブラをしてもらえますか」とお願いすると、かなりの確率で「手ブラってなんですか」と質問されました。両手に何も持っていない状態を指すのではないことくらいは察しがつくものの、ポーズ的にはどういう意味なのかわからない、と。風俗嬢5人中4人は知りません。一般女性でも同じくらいの比率だと思います。

　たぶん手ブラというのはグラビアアイドルがするようになったから広まった言葉です。しかも比較的新しい単語です。思い返してみれば、私が小さい頃は手ブラをしている女性の写真などはほとんどありませんでした。ヌードとしてさらけ出すか下着姿か。どちらかだったように思います。