エロと風俗をクソ真面目に学問する。

　セックスというのは裸でやるものだと思いがちです。これも単なる思い込みのようです。

　今のようにプライベートの空間を見つけやすい日本ならばお互いに素っ裸になるのは当たり前になりますが、そうではない時代もありました。戦前までの日本では着衣でやるセックスが一般的であったとのことです。日本家屋というのはもともと鍵がありません。ふすまをちょっと開けば覗けてしまう構造です。夫婦だけの密室は家の中にはありませんでした。いつ何どき小さな子供が入ってくるか分かりません。なので着衣でやるのも自然だったといえます。

　海外でも信仰上の理由から裸になるのを避けていた人々がいました。アメリカ開拓時代の清教徒などです。裸になりきるのはふしだらな行為だとし、着衣のまま行為におよんでいたそうです。そもそもセックスという行為時代がふしだらだというのに、何を今更、と思わなくもありません。

　現代のように性的に解放されてくると、今度は着衣に対するフェティシズムが注目されるようになります。自分の欲望をネットという個人を表現しやすいメディアを通じて簡単に表現できてしまいますし、仲間も見つけやすい世の中です。

　風俗業界時代の同僚などは「ぼくは裸になりたくありません」と言いきっていました。着ているものをいかに脱がずに愛撫そして挿入し、最後までどのくらい着衣しているかを追求していたらしいです。そんな面倒くさいことをなぜわざわざするのか質問したら「だっていいんですから仕方ないじゃないですか」という返答です。真っ当な理由づけは必要ないのかもしれません。本人にとってよければそれでいいじゃないか、と。

　それでいいと思います。