エロと風俗をクソ真面目に学問する。

　私が近親相姦という概念を初めて知ったきっかけは、野良猫でした。別にそういう血筋の野良猫同士の交尾を目の当たりにしたわけじゃありません。

　私が小さい頃に住んでいた家の軒下に猫が済みつきました。なんで住みついたのかというと、私の母親が餌をあげていたからでした。メス猫でした。ほんの数カ月で妊娠し、気が付いたら子猫が7，8匹ほどじゃれあっていました。

　またあっと言う間に季節が過ぎ去り、いつのまにか子猫たちは大人になりかけていました。母が「このままどんどん増えちゃ困る」というので、何匹かを捕まえて遠くの村へ置いてきたそうです。残ったのは2匹の白猫だけでした。その2匹は男と女の兄弟でした。いつも寄り添って寝転がり、くっついて寒さをしのいでいました。

　すると今度は母が「このままじゃまずいよねえ」とまた悩んでいるのです。兄弟同士で子供ができたらまずいというのです。小学生の低学年だった私には何のことかまったくわかりませんでした。質問してみたのですが、「ダメなものはダメなのよ」と退けられてしまいました。

　大人になった今ならわかります。やっちゃいけないというよりも、気持ち悪いです。理論的には説明しづらいですが、やっちゃいけないことであることははっきりしています。

　同時に、性的行為の究極は「やっちゃいけないことをやること」であることもわかります。近親相姦関連のアダルト作品が絶えない理由のひとつでもあります。