エロと風俗をクソ真面目に学問する。

　くすぐりは拷問です。あまりにも身近過ぎるので盲点かもしれませんが、くすぐられるのは拷問です。苦しいものなのです。

　くすぐりフェチ御用達の専門風俗店があるのをご存じですか。あと、特に海外にはくすぐりフェチのためのAV作品、というよりはエロビデオがけっこう前から堂々と発売されてロングセラーになっていました。もちろん私も知っていましたが、くすぐることと快楽とにどんな関係があるのかがまったくわかりませんでした。

　わからなければ試してみよう。そんなふうなことを軽々しく口走ってしまった私が悪いのです。

　その頃の私は遅番の風俗スタッフでした。その日の業務を全て終え、同じ遅番の男性スタッフ1名、さらには遅くまで仕事をしてもらった風俗嬢2名で、私を含めると合計4人がお茶を飲みながらテーブルを囲んでくつろいでいる最中でした。

　試してみるのなら、くすぐってあげる、そこに横になって。そう言われたので、私も軽々しく横になって両手足を抑えてもらいました。そこからが地獄の始まりでした。

　笑うという行為は相当な肉体労働であることを知っていますか。腹がよじれる、という表現じゃ足りません。笑いたくもないのに、筋肉が痛くて仕方がないのに、それでも強制的に笑わされるのがどれほど苦しいか。逃げようにも逃げられない、まさに拷問でした。ゲラゲラと笑っているので楽しんでいるように見えますし、自分もそう思いがちですが、本当に苦しいです。

　くすぐり風俗は、きっとＭ性がもたらす快楽によってなりたっているんですね。私は体でそう感じました。